セラピストとしての自覚
決意
ハワイ短期留学が具体化すると同時に私はある決意をしました。
留学を機に、働いていた整体院を辞める事にしたのです。
整体学校卒業後、まだ現場レベルのスキルを身につけていなかった私を育て、お客様からお金を頂く事のできる一人前のセラピストに成長させてくれたこの整体院の先輩方への感謝の気持ち、恩返ししていきたい気持ちも強くありましたから、決意をするまでかなり悩みつづけました。
しかし、自分としてはやはり、この整体院が行っている手技に対する不信感、その手技で施術を施しているお客さんに対する罪悪感が非常に強くあり、苦渋の選択ではありましたが、最終的にこのような決意に至ったわけです。
そして、日本に帰国後のある計画も立てていました。
スーツケースに荷物を詰め、期待と不安の入り混じった何ともいえない気持ちで出発の日を待っていたあの時の心境は今でも忘れられません。
出発
いよいよハワイに発つ日がきました。
実はこれが私にとって初の海外。
荷物の受け取りで若干のトラブルはあったものの、無事ハワイオアフ島の地を踏みしめた時の感想は、
広い、暑い、そして何かパワーを感じる!
どちらかというと非科学的な物に対して半信半疑な自分ですが、この地から何か大きなパワーを確かに感じた気がしました。
そして、
いよいよ迎えたレッスン当日、
高層ビル30階。窓からパノラマビューが広がる教室にまず驚きました。
ロミロミはどちらかというと女性セラピストのイメージが強いので、教室の中で自分が浮かないかという男性セラピスト特有の心配もありましたが、以外と男性の生徒さんも多く、
また、校長先生が日本人の方という事もあり、言葉にもあまり不自由せず快適にレッスンを受ける事ができました。
ロミロミのテクニックは、私が想像していた通り、筋繊維を破壊するようなものではなく、体に対する優しさを感じるものでした。
短期間ではありましたが、このテクニックから沢山の施術ヒントを得らそうな期待を感じながら一日目のレッスンを終えました。
そして、二日目あたりからは、他の生徒の方達とも徐々に仲良くなっていきました。
特に印象的だったのは私に、
「君の手からはエナジーを感じる。」
と、エキセントリックな言葉をかけてきてくれたニューヨーク出身のスポーツトレーナー、ベン。
そして、日本人で敏腕経営者の指圧師のケンさん。
講師の方達も素晴らしく、短期間ではありましたがこの時のハワイ留学は、その後の私の施術に対する考え方を変える大きな経験となりました。
整体院の一スタッフとして働いていた時までは正直、自分自身にセラピストという自覚があまりなかったのですが、
まだまだ未熟ではあるものの、自分がセラピストであるという自覚がようやく生まれるようになったのがこの時でした。