小脳反射区、脳幹反射区 リフレクソロジー
二つの器官が同じ場所に存在している、不思議な反射区があります。
それがこちら。

小脳と脳幹の反射区。
何故同じ場所にあるかというと、

こちらは脳を横から見た絵です。
この通り、横から見ると小脳と脳幹は横一列に並んで存在しているんですね。
その位置関係から、反射区も同じ場所に配置されていると考えられます。
同じ場所にあるとはいえ、それぞれは全く違う機能を持ちます。
小脳
まずは小脳。その名の通り、脳の中の小さな部位で脳全体の10%の割合を占めています。
発生学的に原小脳、古小脳、新小脳の3つに分けられ、それぞれの役割は以下のような感じ。
原小脳、古小脳
平衡感覚や姿勢の維持を受け持っている。
新小脳
運動命令に深く関わる。ヒトやサルが指先を器用に動かせるのはここが発達しているから。
ちなみに、小脳に損傷があるとベルトコンベヤーから流れてきた物をうまく掴めなくなるそう。
脳幹
つづいて、脳幹の役割です。
脳幹は、「いのちの座」とも言われています。その理由は呼吸、心拍、体温調節など人間の生命維持に欠かせない機能を担っているからです。
脳幹は細かく分けると、以下のように分けられます。
間脳
視床
嗅覚以外の感覚を大脳に伝える役割
視床下部
自律神経系と内分泌系の中枢
体温調節や消化活動などを支配している
中脳
視覚や聴覚の反射に関係
橋
呼吸や嚥下などの反射運動の中枢
延髄
血液循環や代謝などに関わる
リフレクソロジー施術における説明の仕方
これだけ沢山の難解な機能があるわけですが、リフレクソロジー施術において全ての事を説明するのは難しいですよね。
反射区のところが硬かったり、痛がったりする場合は一般的にそこが弱っていたり疲れているというのがリフレクソロジーの理論ですが、小脳、脳幹の反射区の場合はどう説明したら良いでしょうか。
医師でない限り、リフレクソロジストが診断的な発言をするのはNGです。
「小脳や脳幹の状態が悪いですね」とは間違っても言えません。
私の施術での統計上、この反射区の場所が硬い人というのは精神的ストレスを感じている人、情緒不安定な人、不眠症の方などが多いように感じます。
これについては、脳幹の中の視床下部が関係しているように感じます。
自律神経系の中枢である、視床下部の状態が反射区に表れていると捉えると納得がいきます。
自律神経
自律神経というのは、体のエンジンに例えられる交感神経と、ブレーキに例えられる副交感神経によって成り立っています。
本来、エンジンがかからなければいけない仕事や勉強の時間にエンジンがかからず眠くなってしまう。
本来、ブレーキがかからなければいけない睡眠の時間帯にブレーキがかからずいつまでも眠れない。
自律神経が乱れた状態というのはそのような状態を表すんですね。
自律神経の乱れは慢性的な疲労、だるさ、めまい、偏頭痛、動悸、ほてり、不眠、便秘、 下痢、微熱などを引き起こします。
そのような症状を少しでも改善させるモチベーションで脳幹反射区を刺激してみましょう。
また、ご高齢の方がこの部位に反応が出ている場合は、小脳の影響も考慮する必要があるでしょう。
姿勢の維持、運動命令の衰えが単純に筋力の衰えなどからだけでなく、小脳の衰えも影響していると考えると、この反射区への刺激に対するモチベーションも上がるのではないでしょうか。